コロナ禍で社員食堂閉鎖。煽りを食った野菜卸売業のギリギリでのリストラ実行
- 業界業種
- 卸売業
- 年商
- 8億2千万円
- 従業員数
- 61名
- 借入金残高
- 2億2千万円
- 経営者バイアス
- 経験・習慣による盲目性
- 再生ステージ
- ステージⅡ
- 悪化の症状
- 売上依存症・事業資産肥大症
- 再生手法
- リストラクチャリング・資金調達
背景・課題
- 大手企業の社員食堂を顧客とした野菜卸売業だが、コロナ禍で社員食堂が閉鎖になったため売上が急減。運営資金をコロナ融資で調達してきたが、これも上限に達し、緊急の黒字化が必須の課題となった。
- 固定費圧縮のために、野菜カット工場の閉鎖を決断。大幅な人件費と家賃等の固定費削減のプランを立てた。
- 当面の運転資金もギリギリで、工場閉鎖や人件費削減などのリストラ資金がないという課題も残っていた。
- 開業時の資金繰りを手当てするためと、営業戦略上の必要から大手企業を帳合先としていたが、この企業が野菜卸売り部門を断念し、物流部門を引き受けるなど当社に負担がかかっていた。
再生方針
- リストラ資金を借入れ、収益力回復のため、工場閉鎖と人件費削減のリストラを実施する。これにより、加工部門をなくし、卸売業に特化。
- これまでの帳合先企業から別企業に帳合先を変更し、営業戦略を全般を改める。
- このため、経営改善計画を策定し、金融機関の合意により、協調融資を実行してもらう。
実行時の事象・ポイント
- リストラを実行しないと赤字体質が変わらないため、金融機関への説明、計画策定、合意形成の前にリストラを断行した。
- このため、種々のリストラ費用の支払時期までに、金融機関合意をとり、融資実行しないと資金ショートし、存続の危機であったが、ギリギリのタイミングで融資実行に漕ぎ付くことが出来た。
成果・効果
- 社会情勢としてはコロナ禍を脱しつつある時期であり、当社の業績も回復しつつある段階だった。リストラ実行によって、素早く黒字化が達成できれば、その後は企業存続の見込もあった。
- このため、リストラ資金の融資を受けることができ、黒字化し着実に企業存続に向かって進むことが出来た。
- 帳合先の変更にも成功し、大幅な営業戦略の転換も開始することが出来た。
他の実績をみる
遊休資産売却による財務改善。長男中心の体制への移行により、WEBによる集客コスト圧縮に成功
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業界業種
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年商
3億円
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従業員数
53人
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借入金残高
2億5千万円
自宅の所有権を含めすべてを失った経営者。だが、第二会社で事業は存続へ
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業界業種
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年商
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従業員数
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借入金残高
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