ポールロード式 再生メソッドのご紹介
経営や会社の再建に関わる専門家は、税理士や弁護士をはじめ、財務・資金調達コンサルタントまで実にバラエティに富んでいます。
また、事業再生の手法も非常に多く、複数の手法を組み合わせるケースを考慮すると、そのパターンは多岐にわたります。
多くの経営者は、経営が悪化し、会社を再建していく課題に直面した時、まず身近な顧問に相談します。
しかし、そこで助言されるのは、顧問の専門性が活かしやすい再生手法の提案か、そもそも事業再生に疎くて満足に提案できないか、いずれかである場合がほとんどです。
私たちは、これを 「事業再生のバームクーヘン構造」 と呼んでいます。
バームクーヘンの中心には、再生企業があるべきです。しかし、苦境にある会社は、自力で再生方針を明確にしたり、多様で高度な専門家を活かす術を知りません。再生方針からベストな手法を選び、速やかに実行すること。
経営再建に求められるのは、中心を共にする「事業再生プロフェッショナル」の存在です。
バームクーヘンの中心にこだわること。私たちの再生メソッドの「核心」です。
幾多の再生案件の蓄積から「成功要因」と「失敗要因」を振り返り、高い再現性をもつ「再生メソッド」を確立。
戦略策定から実行まで一貫して機能し、業種・業界を問わず広範に適用できるよう整理した体系です。
事業再生は、ヒリヒリするような「交渉の鉄火場」であり、ときに実弾飛び交う「経営のリアル」です。
私たちに机上の空論は無用であり、今もなお、どこまでも実践に耐えうるよう、再生メソッドを鍛えつづけています。
ポールロード式再生メソッド
私たちは、再生方針を策定していくアプローチを「アイスバーグ(氷山)」に見立てています。
氷山の一角である表層は、経営者の「想い」であったり、課題に対する経営者の「認識」のような「主観的な現実」を示しています。一方、海面下の深層は、様々な要素が複雑にからみあった経営環境によって見えなくなっている「客観的な経営実態」を示しています。
一般的に経営コンサルタントは、明らかにした「客観的な経営実態」を強調します。むろん、私たちも、経営者と深く対話しつつも、経営者の語る「想いや認識」をカッコにいれて会社を診断します。
しかし、より重要なのは、経営者の「想いや認識」に等しく向き合うところにあります。いわば、氷山の表層と深層を往復することで、その「ギャップ」を捉えるのです。経営者が抱かざるをえなくなっている「バイアス」が、どこにあるのか見極めるためです。
実のところ、外部の客観的な立場から、苦境の原因を正確に見抜くことは、経験豊富な経営コンサルタントにとって、それほど難しいことではありません。
大事なことは、苦境の原因が見えていても再生の障害になるのが、「経営者のバイアス」だという事実です。
経営者の抱えるバイアスは4つに類型化できます。
これは経営者をどれかのタイプに分類するためのものではありません。
むしろ、人によって濃淡はありますが、全てのタイプを抱えている可能性があるものとして見ていくべきものです。
親子代々続いた家業を自分の代で潰すわけにはいかない、従業員や家族を守るのが自分の責務だ、といった使命感から、経営判断の選択肢が狭くなっている状態
これまでに注いできた努力や、自ら育ててきた事業に対する愛着が足かせになって、払った投資を惜しみ、成果をだすまでやめられない状態
過去にうまくいっていたやり方や、これまでの事業運営の習慣を当然と思いこんでおり、他の選択肢を知らず、新たに考えることができない状態
自分の下した経営判断に迷いが生じ、その方針を貫くことが困難になっている状態
私たちは、実態PLと実態BSの作成を通じた財務分析によって、会社が抱える症状を明らかにします。
実態PL
決算上のPLではなく、保険解約や不動産売買等の臨時的な収入や損失を除外して算出したPL。正常収益力ともいう
実態BS
決算上のBSではなく、回収困難な売掛金を削除したり、不動産価格を評価し直したりして、資産や負債の数値を、会社の財務実態に合わせて修正したBS
これを「財務マトリクス分析」と呼んでいます。
この分析を通じて、どの症状が顕著にみられるか、複数の症状を併発していたり、複合化が進行しているかどうか、確認していきます。
分析する時点で、症状を把握することはもちろん重要です。
しかし、注意すべきは、これらの症状を放置することで、より深刻な事態になることです。症状は複合化することで、いわば「症候群」として、重症化するのです。
経営が悪化し再建が必要な会社には、共通してみられる「症状」があります。
私たちは、その症状を、悪化を知らせる8つの兆候として整理しています。
経営者や幹部層による経費が多い状態
売上に固執するあまり、収益力を落としている状態
人材や組織の生産性が低く、収益力を落としている状態
売上は好調でも原価管理が弱く、利益がでない状態
事業資産が必要以上に大きくなっている状態
事業に関係ない遊休資産が負担になっている状態
コンプラに反する行為によって、大きな簿外負債がある状態
借入金が過剰になっている状態
私たちは、経営不振が続いて悪化してゆくプロセスを4ステージに分類しています。
各ステージは、銀行融資の状態によって規定されますが、会社が現在どのステージにあるかによって、選べる再生手法のアウトラインが決まります。
しかし、問題なのは、経営悪化の原因が解消されない限り、ステージが進行してしまう点にあります。進行する速度は、主に「財務条件」と「法的リスク」によって決まります。
財務条件
①現時点の現預金/当座資産の水準
②追加担保に提供可能な資産と担保価値
③直近キャッシュフローの+/-とその金額
法的リスク
④租税公課の延滞・追徴、支払遅延等による差押えリスク
⑤従業員トラブルや知的財産権等による訴訟リスク
比較的緩やかに進む場合もありますが、ステージⅡからステージⅣへ急速に悪化するケースも多くみられます。
したがって、現時点のステージだけを見ていたのでは、適切な再生手法を選択することができないのです。
私たちは、ステージが進行する速度を予測して再生手法を検討し、ベストな再生戦略を策定します。
主な再生手法を、再生ステージ別に例示。代表的な改善施策は、「財務体質の改善」と「収益力の改善」の二つの側面に分けて整理しています。
尚、以下はあくまで例示であり、とりうる打ち手のごく一部となります。
再生
ステージⅠ
再生
ステージⅡ
再生
ステージⅢ
再生
ステージⅣ
再生プランニングで考慮すべきは、経営が悪化する「速度」だけではありません。再生に向けて実行する「施策がもたらす効果」も考慮すべきです。自らの施策が経営環境を変化させる、その「効果」のことです。
生じる効果は、「正の効果」もあれば「負の効果」もあります。
正の効果の例
業務改善により省人化が進んだことで、生まれた余剰人員を有効活用する余地が生まれる
負の効果の例
不採算店舗のリストラにより、雇用不安をきっかけとしたモチベーションの悪化が進行する
「施策がもたらす効果」によって必要となる打ち手が変わりますから、私たちは、想定される複数シナリオを再生プランニングに織り込みます。
また、複数の施策を並行させる場合もあれば、順次実行する場合もあります。それぞれの施策の実行容易性や重要度、緊急度、早期の成果が見込めるかどうか等、複雑な「連立方程式」へのチャレンジが、再生プランニングです。
経営の再建は、簡単ではありません。
私たちは、周到なシナリオプランニングによって、その成功確率を高めます。
多様な業界経験と、豊富な実績をもった事業再生のエキスパートが、貴社をサポートします。
学習塾チェーン、教育系フランチャイズ企業、大手運送グループにて、広範な職掌に従事。
事業再生コンサルタントとして独立後は、事業再生支援や再成長支援など、苦境に陥った地域の老舗企業・有名企業を対象に、幾多の困難なプロジェクトを成功に導く。
強み、得意領域
多数・多様な専門家を編成する大型プロジェクトのリードに強み。事業再生の“再現性”を組織的に担保するため、『ポールロード式 再生メソッド』を開発。
総合印刷会社の企画プランナーとして、20年以上にわたり、多様な業種・業界のプロモーション支援に従事。全社的な営業戦略立案やマーケティングの責任者として部門統括を管掌。
また、印刷事業者7社からなるEC通販サービスの新規事業開発をリードした経験をもつ。
強み、得意領域
長年のクリエイティブ畑で培った取材力や企画力を武器に、マーケティング支援や事業デューデリを得意とする。経営者や社員の本音を引き出す、傾聴力に定評。中小企業診断士。
タオル、雑貨、寝具等、複数の製造・卸売・小売企業に長らく従事。物流部門と生産部門において、現場改善やシステム化による生産性向上をミッションに部門統括を管掌。
主に、物流拠点の統廃合による抜本的な改善施策や、基幹・個別システムのリプレイスプロジェクトをリード。
強み、得意領域
戦略的な業務再設計やシステム構築支援による生産性向上施策を得意とする。経営学修士(MBA) 、ITコーディネータ、運行管理者、中小企業診断士。
あらゆる再生施策に対応できるように、高い専門性をもったスペシャリストと連携しています。特定の再生手法に偏らず、経営目的や経営者の想いに寄り添った再生手法を選択するためには、プロジェクトごとにふさわしい専門家が異なるのです。
たとえば、一般に税務申告であれば顧問税理士が行なっていますが、事業再生では、より難易度の高い修正申告や更正の請求を行なう場合があります。更正の請求は、税務署に対して過払いの税金を取り戻す請求となり、顧問税理士だけでは難しいケースもでてきます。
こうした弁護士や公認会計士などの士業の他、マーケティングや生産現場の改善コンサルタント、不動産やM&A仲介会社等の資産整理の専門会社が必要となることもあります。
私たちは、必要に応じて、こうした専門家をフォーメーションに組み入れることで、経営者が選択できる手段の幅を広げます。
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