再生戦略の策定
会社再建の課題を網羅的に洗い出すため、一般に「デューデリジェンス」と呼ばれる調査を実施します。
コンサルタントが現地を訪問する視察調査、経営者や幹部層へのヒアリング調査、様々な資料を受領して行う資料分析、等です。資料分析の対象は、財務諸表だけではありません。会社や不動産の登記簿、定款や就業規則、賃金台帳、商品カタログや仕様書、業務マニュアル、取引先や金融機関との契約書等、経営課題を抽出するため多岐にわたります。尚、必要な資料がなく当社で作成する場合は、情報提供にご協力いただきます。
経営者や財務担当者へのヒアリングと、財務的な資料分析によって会社の収益力や財務実態(実態BS・実態PL)を抽出し、経営の特徴やリスクを把握します。特に、不良資産や簿外債権・債務、資金繰り状況は、取りうる再生手法に大きな影響を与えるため、重要な把握事項となります。
経営者や幹部層へのヒアリングと、工場や店舗等の現地視察を通じて、主にオペレーションとマーケティング観点で自社の強み・弱みを把握します。また、セグメント別の分析(事業カテゴリ別、拠点・担当別、商品別、仕入先別、等)によって、収益力と費用構造を精査します。
経営者との対話によって経営目的(経営者の「想い」も含みます)を確認し、実行フェーズで再生戦略がブレることがないように、優先すべき事柄を明確にします。そこから、デューデリジェンスで把握した経営実態を踏まえ、取りうる再生手法や、実行すべき施策の概要をご提言。それぞれの実行にあたって必要となる予算や期間、留意すべきポイントをご理解いただきます。
実行施策は、財務的な施策を中心として、必要に応じて人事施策、マーケティング施策、オペレーション施策により構成されます。また、会社のおかれた状況により複数のシナリオ(選択肢)が検討できるため、それぞれのメリットや想定されるリスクもあわせて評価します。
活動の成果を「事業再生調査報告書」として取りまとめ、主要な関係者に対して報告会を開催します。実行フェーズを念頭に、再生戦略の内容を解説するとともに、意見を交換します。
また、状況により、金融機関に対しても「事業再生調査報告書」を提出することで、事業再生に向けた理解や信頼を得て、実行をスムーズにします。
施策プランニング
経営者や幹部層から「事業再生調査報告書」のフィードバックを受け、追加・修正を加えて再生戦略を確定します。
関係者に対して再度ヒアリングを実施したり、検討の場を継続的に設けることで、腹落ちさせた再生戦略を練り上げます。
施策ごとに主導する担当を選定し、どのような実行体制で臨むのか、いつまでに実行できるのか、といった実行可能性を精査します。
予算や数値目標を明確にすることで、施策をアクションレベルに落とし込みます。
また、施策のテーマや範囲によっては、現場責任者まで巻き込んだワーキンググループで検討を重ね、現場感のあるアクションプランを策定します。
施策実行によって予測されるPL計画やBS計画、資金繰り予定表等の財務計画を策定します。ここでは、金融機関との交渉を並行して進めており、実行性の高い資金調達や返済計画を盛り込んだ財務プランニングとなります。
事業再生は、金融機関をはじめとした債権者との「交渉」による財務改善が前提となり、私たちは、それをリードします。金融機関交渉により、資金調達やリスケ、債権カット等の金融支援策を盛り込んだ再生計画の承認をとりつけ、その交渉の成果を「経営改善計画書」として取りまとめます。
銀行回りやバンクミーティング等、金融機関との交渉はコンサルタントがリード。但し、会社の代表者の同席は必須です(非弁行為を回避する為)。
開催の要領とポイントはアドバイスしますが、具体的な招集や開催手配といった業務遂行にご協力ください。
交渉が難航した場合、経営者や幹部層、現場責任者等を巻き込んだ継続的な討議による、再生計画の見直しが必要となります。
実行・モニタリング
経営改善計画書に基づき、施策ごとに詳細な実行プランを策定。
必要に応じて、施策実行に関わる部門の幹部や中堅社員をワーキンググループとして招集し、具体案をとりまとめて経営者や幹部層へ共有します。
改善行動のポイントや管理手法のような業務ノウハウから、会社法規や税務といった専門的な知見まで、ハンズオンの現場感あるアドバイスにより、実行を支援します。
また、財務、金融機関交渉、マーケティング、オペレーションといった広範な業務領域に対して外部専門家と改善活動を共にするため、幹部層含めた人材育成や規律不在による慢性的な怠業の改革等、会社の再建とともに筋肉質な組織づくりが期待できます。
実行状況を継続的に評価し、モニタリング活動を支援します。
実行上の課題が浮上した場合には、経営者や幹部層と解決策を検討し、目標が達成されるまで伴走します。
経営改善計画の進捗を金融機関に報告するため、報告書の作成を支援します。
また、施策の実行による環境変化や、計画未達で下方修正が必要となる等、あらためて金融機関と折衝する局面でも交渉を支援します。
倒産回避
初回相談で緊急性が高いと判断した場合、倒産を回避すべく、あらゆる手段を行使するものです。
尚、本サービスは、オプションメニューであり、「再生戦略の策定」サービスへのお申込みが前提となります。あくまで緊急的な対処となり、いわば「集中治療室」です。「一般病棟へ移らずに、いきなり全快するものではない」と、ご理解ください。
資金流出を止めるため、金融機関に支援を求めます。
主に、暫定リスケによる元本返済の一時停止、金利支払いの停止を求めていきます。
税金や社会保険料等の租税公課支払を遅延させてもらえるよう、税務署や年金事務所と折衝します。
仕入れ代金の繰り延べや手形ジャンプを受け入れてもらうよう、仕入先企業と折衝します。
給与支払の延滞へ理解を求めたり、状況によっては解雇に向けた従業員対策が必要です。
いずれも緊急性が高く、金融機関をはじめとした利害関係者との交渉を全面的にリードします。
但し、会社の代表者の同席は必須となります(非弁行為を回避する為)。
バンクミーティングをはじめ、交渉の場をセットする要領とポイントはアドバイスします。
具体的な招集や開催手配といった業務遂行にご協力ください。
再生型M&A
事業再生の「出口戦略」を、M&A(株式や事業を第三者へ譲渡)に求めるものです。
譲渡戦略の策定にはじまり、相手先との交渉から契約の締結まで実行を支援します。再生企業のM&Aは、一般に債務超過で買い手がつきにくく、成約の難易度が高くなります。私たちは、譲渡交渉のプロセスで金融機関に債務カットを求めるなど、高度な譲渡スキームの実現を得意としています。
尚、本サービスは、オプションメニューであり、「実行・モニタリング」サービスへのお申込みが前提となります。事業再生の出口戦略の一環としてご提供しておりますので、M&Aを単独でご希望される場合は、別途お見積りとなります。
会社や事業の強みと弱みの明確化、ターゲット(譲渡先)の設計、譲渡スキームの検討、譲渡価格の設定といった交渉にむけた譲渡戦略を策定。
譲渡の実現性を高めるため、譲渡戦略で整理した会社のアピール材料を「インフォメーション・メモランダム」と呼ばれる書面にまとめます。
整理したターゲット設計に基づき、外部機関も活用して譲渡先候補をリストアップ。分母となるロングリストと合わせ、成約確度や有利な条件、事業シナジー等の条件で絞り込んだショートリストを作成して効率的にアプローチします。
譲渡に向けた意向表明にはじまり、基本合意から最終契約の締結まで、成約の実現を支援します。
意向表明を終える等の初期の交渉プロセスを終えた段階で、会社の代表者の同席が必須となります(非弁行為を回避する為) 。
再生型承継
事業再生の「出口戦略」を、事業承継(新会社への移管)に求めるものです。
第二会社方式という再生手法を軸に、収益事業を第二会社(新会社)へ譲渡することによって抜本的な再建を果たします。一方で、不採算事業を残す旧会社には経営者個人の連帯保証が残ります。私たちは、経営者保証ガイドライン等を活用することで経営者個人に降りかかるダメージを最小限に抑え込みながら、廃業を支援。仮に承継後の引退を選んでも、第二の人生を安心して歩めるよう、ソフトランディングな事業承継を目指します。
尚、本サービスは、オプションメニューであり、「実行・モニタリング」サービスへのお申込みが前提となります。事業再生の出口戦略の一環としてご提供しておりますので、事業承継を単独でご希望される場合は、別途お見積りとなります。
収益事業を移管する新会社の体制、譲渡価格の設定、当面の運転資金や売上見込みの予算化等、承継スキームのアウトラインを策定します。
金融機関、仕入先、顧客、従業員を中心とした利害関係者への対応課題を網羅的に洗い出し、あらかじめ打つべき施策を立案します。
また、実際の承継時には、ハンズオンの現場感あるアドバイスにより、実行を支援します。
新たな組織体制となる新会社における事業展開を念頭に、PL計画やBS計画、資金繰り計画を、経営計画とともにとりまとめます。必要となる資金調達や無理のない正常な返済計画をめぐって金融機関と交渉。新たな成長軌道をめざせる金融環境を確保します。
金融機関をはじめとした利害関係者との交渉をリードします。但し、会社の代表者の同席は必須となります(非弁行為を回避する為)。
バンクミーティングをはじめ、交渉の場をセットする要領とポイントはアドバイスします。
具体的な招集や開催手配といった業務遂行にご協力ください。