中小企業活性化協議会とは? その成り立ちと役割

投稿日: 2022.03.26

生井 勲

生井 勲

中小企業活性化協議会とは

2022年4月1日に全国47都道府県で中小企業活性化協議会が設置されます。これは、中小企業が直面するフェーズごとに一元的な支援をしていくものです。このフェーズを三つに区分し、中小企業活性化協議会ではこれを一元的に実行支援します。

・収益力改善・・・コロナ禍をはじめとした外部環境変化などによる収益力低下に対する対応

・事業再生・・・リスケジュールや債務免除など金融支援を必要とする対応

・再チャレンジ・・・廃業や倒産など早期に決断した経営者の復帰を支援するための対応

なお、中小企業活性化協議会の設置に伴い、これまで各都道府県に設置されていた中小企業再生支援協議会と中小企業経営改善支援センターは廃止されて、中小企業活性化協議会に統合されます。

また、岸田文雄首相は3月3日の記者会見において、次のように所見を述べています。これは翌日に発表された「中小企業活性化パッケージ」について述べたもので、中小企業活性化協議会の設置がこの政策パッケージの一環でした。今後は、政府を挙げて、中小企業経営が直面する3つのフェーズへの支援を強化していくことになります。

「最後に、「中小企業活性化パッケージ」について申し上げます。感染拡大が続く中、年度をまたいだ中小企業の事業継続と新型コロナ後を見据えた事業復活に向けた果敢な挑戦を支援するための「活性化パッケージ」を取りまとめ、展開いたします。

 パッケージの1つ目は、資金繰り支援です。融資の条件変更への対応について、担当閣僚から金融機関に要請するなど、年度末の資金需要に対応いたします。加えて、年度をまたいだ事業継続を支援するため、年度末を期限とした実質無利子・無担保での融資を6月末まで延長するとともに、事業者の返済負担を軽減するため、15年の融資期間を20年に延長いたします。あわせて、事業者の財務基盤を強化するため、資本性劣後ローンによる支援についても来年度末まで延長いたします。

 パッケージの2つ目は、増大する債務に苦しむ中小企業の収益力改善・事業再生・再チャレンジの総合的支援です。まず、金融機関や税理士など、全国3万以上の認定支援機関の総力を結集することで、中小企業の収益力改善のための伴走支援を徹底いたします。その上で、必要な場合には、金融機関の協力の下で、債務カットなどを行いつつ、収益力の改善の取組が円滑に進むよう、「中小企業の事業再生等のガイドライン」を策定し、経営者の退任を原則としない形での事業再生を推進いたします。全国47都道府県において、収益力改善・事業再生・再チャレンジを一元的に支援するための体制を整備し、地域全体で苦しむ中小企業の支援に取り組んでいきます。」

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中小企業活性化協議会の成り立ち

中小企業活性化協議会は下記の二つの組織を統合した組織となります。

・中小企業再生支援協議会とは

中小企業再生支援協議会とは、産業競争力強化法に基づき、47都道府県に設置されている公的機関であり、事業の収益性はあるが財務的に問題を抱えた中小企業を対象に、リスケジュールや債務免除など様々な支援を行ってきました。

・経営改善支援センターとは

独立行政法人中小企業基盤整備機構が、国(中小企業庁)の補助を受けて設置している中小企業の経営改善のための公的機関です。設置場所(委託先)は、都道府県の中小企業再生支援協議会を設置している商工会議所や公益財団法人等で、センター長は中小企業再生支援協議会の統括責任者が兼ねています。これまで、リスケジュール申立てに必要となる経営改善計画策定や条件変更の必要性がないうちに実施する早期経営改善計画の策定支援を行ってきました。

中小企業活性化協議会の役割

中小企業活性化協議会は、中小企業再生支援協議会と経営改善センターを統合し、①収益力改善、②事業再生、③再チャレンジという中小企業経営の各フェーズに対して3つの役割を果たしていきます。

これについて、経済産業省・金融庁・財務省は下のようにまとめています。

この中で特筆すべきは、協議会による収益力改善支援の強化として挙げられているものです。これは、中小企業再生支援協議会が現在「コロナ特例リスケ」を実施している企業に対して、収益力改善に向けたアクションプラン作りと今後数年間の資金繰り計画の策定を支援するものです。策定後は、必要に応じてリスケジュールに関する金融支援を行い、定期的なモニタリングを行います。

また、「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」の策定、運用も注目に値します。このガイドラインは、本パッケージと同時に発表されたもので、これまでの中小企業再生支援協議会の経験と実績を踏まえ、同様の任意再生が民間の支援専門家の手で実行できるよう、そのスキームを定めたものになります。中小企業活性化協議会と両輪になることが期待されているスキームと言っていいでしょう。運用はまだまだこれからで未知数ですが、注目に値する施策となります。

これまでは経営改善支援センターにおいて、経営改善計画支援事業(405事業)が運用されてきましたが、これに当ガイドラインの運用枠が設置され、最大700万円の補助金が拠出されます(DD、計画策定、伴走支援の合計)。

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この記事を書いた人

生井 勲

生井 勲Namai Isao

株式会社ポールロードカンパニー 代表取締役
エグゼクティブコンサルタント

1969年10月生。神奈川県出身の中小企業診断士。神奈川県中小企業診断協会、日本ターンアラウンド・マネジメント協会に所属。 学習塾チェーン、教育系フランチャイズ企業、大手運送グループにて、店舗運営やBPO事業の運営管理、経営企画など広範な職掌に従事した後、事業再生コンサルタントとして独立した。 独立後は、事業再生支援や再成長支援、M&Aアドバイザリーなど、苦境に陥った地域の老舗企業・有名企業を対象に、幾多の困難なプロジェクトに携わってきた。 こうした経験を元に、2019年に「ポールロード式再生メソッド」を開発して株式会社ポールロードカンパニーを設立、代表取締役に就任。現在は、同社の経営にあたるとともに、リードコンサルタントとして活動している。

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