先代社長が期限の利益を喪失させてしまった花屋を求償権消滅保証で再生

業界業種
小売業
年商
8,000万円
従業員数
10名
借入金残高
1億円
経営者バイアス
経験や習慣による盲目性
再生ステージ
ステージⅣ
悪化の症状
借入依存症
再生手法
債権カット

背景・課題

  • 先代社長の時代に実質経営を担っていた兄が病気で倒れ、兄の担っていた事業部門が債務を抱えたまま休業状態となった。その債務弁済が出来なくなり、期限の利益を喪失。その後、花卉小売店として事業は継続してきたが、財務的には存続不能の企業となった。
  • 社長交代後、事業領域も見直し、PLは改善し、安定的な黒字が出ている。利益は薄いものの、事業継続が可能な状況である。
  • 求償債務と遅延損害金の合計が約1億円ある。

再生方針

  • 合計債務1億円を弁済可能額まで債務免除してもらい、残高は金融機関からの長期融資によって調達する。この借入にあたっては、信用保証協会の求償権消滅保証を活用する。
  • 収益力強化のために、社長と取締役(奥様)の勤務スケジュールを見直す。
  • 3店舗それぞれの個性を活かした店作りを行なう。

実行時の事象・ポイント

  • 収益力が弱く、信用保証協会の大幅な債権カットにもかかわらず、策定した経営改善計画では実態債務超過解消が計画10期にずれ込むこととなった。
  • 収益力向上のため、社長及び取締役の働き方を見直したが、これは実質的には勤務時間の短縮を意味した。これまで習慣的に維持してきた働き方をメリハリのあるものに変えるという思い切った対策を打ち出した。
  • 広すぎる店舗が無駄で無理のある働き方の原因となっていたため、店舗レイアウトを変更した。

成果・効果

  • 実態債務超過解消年数が大幅に遅れる計画となったが、低いながらも安定した収益力があることと、手堅い計画が認められて計画合意に達し、企業として存続可能な状態となった。

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